九州ドライブ4日目

道の駅阿久根はR3沿いにあり、夜間でも交通量が多くてちょっとドキドキしながら眠ったのだが、何事も無く。ブログ市長のせいで荒れたイメージを持っていた上、奇妙なオブジェとかあるんじゃねえのかと思っていたが、そこまで観察することはできず。朝五時に起きて、そのまま川内へと走りだす。朝の川内市街地は静まり返っていて、交通量も少なくていい感じだったが、ここで川内原発を見たいと思って脇へと入る。
鹿児島r43は川内原発を通り、そのまま海岸沿いへ串木野市へと抜ける道だが、これが快走路であること素晴らしく、走って楽しい道であることは僕が保証する次第。いやほんと、いいです。肝心の川内原発は何事もなく静けさを保っていただが、朝っぱらな
ので見学も出来んだろうということで一瞬で通過。まあ、玄海原発よりは奇妙な感じしなかったな。玄海原発はなんか変な感じがした。雰囲気だけで言ってるけどね。
串木野でR270に乗り、そのまま南下。今日は開聞岳をめざすのだ、と意気揚々だったので、とにかく海岸線沿いに走れば感動を得られると考えていた。が、それが甘かった。南さつま市でR270はR226と分岐する。僕はここでR226を選んだ。海岸沿いに薩摩半島を走破してやろうと思ったのだ。野間半島の少し手前のあたりかなんかへんだぞとは思っていた。妙に道が細く、見渡すかぎり緑しかないのだ。別にいいじゃないかと思う向きもあろうが、そうではない。単純な話、僕は疲れていたのだ。4日目ともなると連続稼動の時間も下がりつつあり、精神的に磨耗する道を走るのは骨なのだ。野間半島から坊津へと向かう道は、まさにそういうものだった。ひたすらうねうねうねうねうねうねうねうねうねと曲がりくねった道を走り続け、しかも眺望は良くもなく、全行程の8割ほどは自然に囲まれた区間となっていた。低速カーブが連続する狭小区間というのは精神的に結構きつくて、それがロングドライブでベース基地(=家)から最も遠い場所ともなれば、これはもう驚くほど面倒くさいものとなる。さらに加えて、僕はこの時ものすごくうんこをしたかった。肛門にせり上がってくる(方向的には下がってくるわけだが)便意を押さえつけながら、ハンドルとアクセルを操って人里へと走り抜ける。この区間はあまりにも長く、決壊への焦りをかきたてるには十分だった。坊津はさほど大きい集落ではなく、うんこをするに適した場所はなかったなので、せっかくの人里であるにもかかわらず、僕はここでうんこをしない決断をして走り抜けた。結局、うんこをしたくなってから40kmほど走って、はじめて僕は枕崎にたどり着いて、そこのサンクスに滑りこんでうんこをした。便意の波に耐えぬいた挙句のうんこは気持ちよかったが、うんこをするまでに走った道は気持よくなかった。単純に疲れただけだった。漏らすのではないかという恐怖は、ドライビングプレジャーをスポイルしてしまうのだ。否、それをおいても、野間半島からの40km区間は面白くなかった。狭小区間があったとは言えども、すれ違う車はほとんどなく、さほど苦労しなかったにもかかわらず、面白くなかったという感想を今でも持っている。絶景ハンターにはおすすめできないのだ。この道は。
枕崎で色々と補給をすると、僕は開聞岳へとR226をひた走った。

やっと見えてきた開聞岳はもやに覆われていた。宜しくない、と思いながらも僕は車を走らせた。開聞岳周遊道路の道が見えてきたが、僕はあえてパスし、先に長崎鼻を目指した。日本の道路は左側通行であるから、開聞岳周遊道路がいくら細いとは言え、左から走れば苦労することはあるまいと考えたのだ。よって、先に長崎鼻を見てから、走ればよかろうと思ったのだが、まあこれも間違いであった。長崎鼻は行きどまり付近にあるガーデンパークと駐車場を共用しており、そこが無料なのだが、その手前で土産物屋に止められてそちらの駐車場に誘導される。面倒くさかったので土産物屋に停めてしまったが、袋田の滝よろしく土産を買っていけパターンなのは明白であり、僕はかるかんを買ったがこれは美味しくないからうんざりした気分になった。後ろからやって来る車も大体そんな感じでひっかかっては土産を買わされていた。立地だけで商売をしているという典型的な例で、嫌だなあと思うのだが、まあ特には言うまい。次からはガーデンパークの無料駐車場に止めればよいだけのことだ。


薩摩長崎鼻灯台を眺め、近づいてみてもぼやけて見える開聞岳にやきもきして、長崎鼻を離れると、僕は開聞岳周遊道路へと向かった。
開聞岳周遊道路への入り口はわかりにくい。普通に走っているといぶすきGCに入ってしまうくらいだ。開聞岳山麓大自然公園のゲート手前で分岐があるのでそちらの左にある側道へと入ると、ほっそいほっそい隧道があらわれる。

このわずか1kmに満たない1車線の隧道で、僕は二回も対向車に道を譲るべく200mほどバックをしなければならなかったので発狂しそうになった。心が狭くてびっくりするが仕方がない。相手はランクルやらRAV4やらでお気楽に走ってくるものだからイライライライラしてしまう(とはいえ、こっちもスポーティークーペなのだからお気楽度では大差ない)。道路は左側通行だ、習わなかったんだろうか。


隧道を抜けた先はこんな感じ。開聞岳の麓であるので、開聞岳は何にも見えない。残念ながら。
開聞岳周遊道路を抜けると、お次は佐多岬を目指す。本当は指宿で砂むし温泉に入りたかったが時間がない。そして、目的地は海を挟んで向こうなのでフェリーを使えば一発なんだろうが、僕は何故か陸地で目指す。というわけで、指宿スカイラインに乗る。しかしこの道は通行量が結構あるので、前がすぐ詰まる。先を急ぐときには、だらだらと走る観光車両が辛い。この道は鹿児島市から指宿へ抜けるように走ったほうが、恐らくは美しい景色も見えてよいのだろう。北上は味気なさすぎる。
鹿児島市で高速を降りて、R10にスイッチ。あとはひた走るのみ。流れはよくも悪くもなく、といったところで、佐多岬ロードパークの入場リミットである18時が気にかかりはじめる。途中、R10から分岐してR504を走るが、トラックやミニバンなどの遅い車のせいで、車列が数珠つなぎになって思うように進まない。本日、うんこ危機以来の焦燥感の高まりに、僕は思わず呻いた。それでもなんとか鹿屋市街を通りぬけ、R259にスイッチすることに成功すると、あとはひた走るのみだった。なんとか17時半過ぎには間に合うと入場料を払って駐車場まで車を乗り入れる。佐多岬展望台に入るには18時までに到着しなくてはならないので、駐車場からの1km位ある山道をせっせと歩く。展望台は荒れ放題だったが、もはやこのような「果て」にやってくるのは流行らないということなのだろうか。投下資本に見合うリターンが望めないから、放置されているのだということは誰にでもわかるが、昔は成り立っていたものが今では、というのはいささか寂しい。しかし、どうしようもない。


佐多岬を見たあとは、垂水方面へと車を向ける。途中、道の駅たるみずにある「湯っ足り館」で入浴。ここは安いから良い。公営の入浴施設ってのはやっぱり良い。昼間ならば桜島を一周、という色気も見せたのだが、そんな余裕はなく高速に乗る。ここで今までの歪な日程の限界が生じる。今回はコロプラの登録地域を増やすという目的もあったため、どうしても宮崎県の霧島地域をとうろくしたいという願望があった。そこで僕は何故か九州道えびのジャンクションを走ることにした。鹿屋から串間、日南と走るのが常識的なルートではあるのだが、この時は頭がおかしかったのでそのような判断はしていないし、最初から考慮の対象外だった。もうすっかり陽は落ちて、真っ暗であるにもかかわらず、僕は遠回りをすることにした。えびのジャンクションを通過し、霧島SAでラストオーダー直前のフードコーナーでラーメンを食すと、そのまま走りだす。何とか宮崎市に到着すると、もうふらふらだった。しかし、ミヤザキのどこで休めばいいのか検討がつかなかったので道の駅を探すも近くにない! よって、日南海岸ロードパーク沿いにある道の駅フェニックスまで走る。たどり着いたのは日付も変わって5月3日。ああ、もうダメですわと僕はため息を吐いて眠りに落ちた。
運転時間14h56m、走行距離 726.2km 燃費15.7km/l