九州ドライブ3日目

のそりと起床し、走りだす。朝食はSAのレストランで佐世保バーガー。高いんだよなあ。まずくはなかったけど。
鳥栖ジャンクションまでは奈良の基地外と一緒に走り、その後は一人で淡々と南下する。熊本から天草を目指してR57に乗った頃には、すでにお昼前。しかも天気は良くないので走っていて面白くない。ただし熊本はガソリンが安い。なんで? というくらい安い。唐津のプライシングが如何に高いかを痛感。道の駅「宇土マリーナ」をすぎて、快走路を順調に飛ばす。これで雨が降っていなければ面白いんだろうに、と溜息を吐きまくる。天草パールラインに入ると、ちょっと晴れ間が見えたり見えなかったり、雨が叩きつけるように降ってきたり、しとしとと垂れてきたりと、空が表情をコロコロと変え続ける。上天草のあたりが妙に渋滞していて、だらだらと続く車列に苛立を覚えながらとにかく前進。松島有料道路との分岐を過ぎたあたりから流れが良くなったので、思い切り飛ばす。TSIエンジンの溢れ出すトルクを、DSGで余すところなく活用しながら飛ばす飛ばす飛ばす。
天草市に上陸すると、まっさきに南を目指した。特に理由はなかったが、空はそちらの方がどうにも青く見えたからだった。たったそれだけの理由でも、ノープランなツーリングにおいては意思決定の重要なキーとなり得る。というわけで牛深を目指して走りだす。目的地まで40km以上。大丈夫、問題ない。今日中に鹿児島突入しなければならないのだということはさておき、問題ない。だってまだ13時を回ったばかりだ。とにかく飛ばす。TTの鼻先は軽い。FFにしては優れた重量配分のお陰か、広いトレッドのおかげか、高い限界でカーブをこなしていく。ユーロRよりも恐らくはかなりのハイペースで。そうしてたどり着いた牛深はのどかな港町だった。ただし天気はあまりよくない。

うーん、と首を捻り、そのまま大江天主堂へと向かうことにした。きた道を取って返すのも芸がないということで、熊本r35を走ることにした。が、これが選択ミス。ロングツーリング中には精神的にすり減ってしまうような、だらだらとしたのどかな細長い道。走っていて辛い。対向車が来ないことを祈りつつ走る木陰の道などは、本来ならば無用の用物だ。けれども、「きた道を戻るのは芸がない」ので、走りだしたこの道を戻ることはしなかった。そう、走り出したら前へ前へ進み続けるだけだ。地図はこの道がどこに繋がっているのかを教えてくれているのだから。少なくとも、途中で行く宛もなく途切れてしまうような道ではないことを、僕は知っているのだから。

大江天主堂について、ちょっとだけ見学したらさらに走りだす。R389を海沿いに走り、苓北町を目指す。地図で見るとちょっとうねうねしていて、こりゃアカンかなと思わないでもなかったが、ここから天草市街へと戻って、さらに苓北というのも無駄が多い。前段とは相反するところであるが、多少の辛さは我慢して距離の短縮を狙う。ところがまあ、これが走ってみると気持ちのいい道で、細いところは数箇所しかなく、快走路と言って良かった。走って良かった、と心から思った。北へと向かうに連れて晴れていく空は、僕の気持ちも明るくしてくれた。途中、下黒瀬のあたりで巨大な工場、もしくは発電所のようなものを見かけたのだがアレは一体何だったのだろう。そうこうしているうちに、富岡にたどり着く。最初は四季岬灯台に行こうと思っていたのだが、城があるらしいのでそっちを先に回ることに。富岡城は若干わざとらしいところはあるものの、当時の遺構と石垣をよく再現していてなかなか楽しいところだった。ちなみに銅像は、勝海舟頼山陽鈴木重成と鈴木正三。

その後、四季岬灯台へ。まあ寂しいところではあるが、ぼっち中級者であるところの僕が重視する「最果て感」はそこそこに高く、満足度も高い場所だった。ただしもうちょっと立派な灯台ならば言うことないのだが。

その後はまったりと海岸を走り、パールラインを戻る。きた道を戻るのは芸がないのだが、他に道がないので仕方がないし。絶景ろは何回走っても芸があるのだ!

その後は熊本へと戻り、ただひたすらに南下を続けて鹿児島に突入した。どこで休めばいいのか皆目検討もつかないまま困り果てつつも走り続け、道の駅阿久根にぶちあたったのでそこで就寝。走行距離はわりとまともでした。下道おんりーだからね。
走行距離 578.9km 燃費15.9km/l