さすがに三年くらい経つと色々なことが変わる

友人は仕事を辞めていた。一年くらい前に辞めたそうだ。しばらくぶらぶらとしていたが、今は警察官採用試験を受けるための勉強をしているらしい。別の友人もやはり仕事を辞めていたが、似たような業種の会社へ一ヶ月前に再就職したらしい。岡崎朋也的な電気工事業の会社のようだ。その他いろいろな人の話を聞いていると、みんな環境をめまぐるしく変えているようだった。辞めた理由は欝だったり、残業過多による生活の崩壊であったり、と色々ある。僕のように、大学卒業後五年強、同じ会社でじっとしているのとは対照的だった。それが正しいことかはだれにもわからないだろうけれど。しかし、全く逆の立場に居ながら、僕は彼らに対して、嫌だったら逃げていいんじゃないですか、ときちんと伝えることができた。無理をしたって、自分は救われないかもしれない。だったら、逃げて救われてもいい。逃げたくないから、嫌な仕事をずっとやっていた僕はきっと意固地だったのだろう。嫌なことに慣れてしまい、日常へと変化してしまった今ではそんなことも笑い種なのだけれど。生きていくのつくづく大変だと思う。そんな中で、僕はわりと楽に生きている方らしい。他人の話を聞いていると、本当にそう思う。相変わらず日常は退屈で、仄かな嫌悪を催すものではあるけれど、それだって誰かにしてみれば羨望すべきものなのだろう。人生はうまくいかないものだ。そしてこの文章はとても嫌味に思える。