「アンナ・カレーニナ」(上・中・下) トルストイ/岩波書店

アンナ・カレーニナ〈上〉 (岩波文庫)

アンナ・カレーニナ〈上〉 (岩波文庫)

女として正直に生きようとして失敗した、って感じですかね……。比べるのは変かもしれないが、ボヴァリーの方が好き。自分勝手に振舞っているくせに不満をギャアギャアと垂れ流して、コイツ何言ってんだと思いたくもなるシーンもあったけれど、最後にきっちり収斂させて、用意された終幕へと導くその小説としての構成がすばらしい。登場人物の描かれ方も、不足がない。