三つ数えろ 1946年/アメリカ

ハンフリー・ボガードのマーロウは微妙だ。なんで、って背が低いから。エディ・マースに見下ろされるような感じになっていたのはどうにも。ヴィヴィアンに「背が低いのね」なんて言われるシーンは思わず失笑。それでも、フィリップ・マーロウのイメージに重ね合わせることはそう難しくなかったのだから、印象はよかったのかもしれない。
ストーリーは大幅に修正が加わっていて、原作どおりを期待すると肩透かし。映画のラストも悪くはない。ただ、マーロウとヴィヴィアンの関係を重視して展開する話にはどうにも乗り切れずに終わってしまった。「三つ数えろ」という邦題になったのには、きちんと理由があるのだということはわかる。なぜ、って「THE BIG SLEEP」じゃ意味が通らない話になっているからなのだ。でもやっぱり、「THE BIG SLEEP」で思い出深かったのはそこだったので、消して欲しくはなかったな、と思う。あとは「みんなが僕にリーガンに興味を持て、って言っているんだ」(確認してないからうろ覚え)という科白が僕は好きだったんだけど、そこも削られていて残念。
「誰がオウエン・テイラーを殺したのか」という謎は誰もが抱くらしい。あと、脚本にフォークナーが加わっていたのには驚いた。エンドクレジットをちゃんと見せて欲しかった。