CUE (1)/村上かつら

大げさな部分が目立つなあ。演劇を扱った漫画として、演劇特有の大仰な性質を引き継いでいると考えればいいのだろうし、おそらくはそれが正しい読み方なのだとは思うが、合わない人には合わないと思う。だけど、まあ、一つにまとめられて、「CUE」の世界しかないという状態で読んでみればそれほど違和感は起きず。
「棺桶の船」の話がはじまってからは(もっときちんと区切るならストリップを見てから)、ものすごく面白いし、コミックス未収録分の部分はかなりいい。そういう意味では導入に失敗しているような気はする……。
短編集買って気に入った人でも、きちんと様子を見て買った方がいいような気がします。短編集にあるようなリリシズムはほとんどないので。
伊藤さんの部屋にベケット戯曲集があったのがなんかツボだった。ベケットは演劇者にとっては教養なのだろうか、なんて思ったが僕にはわかりません。