「夜は短し歩けよ乙女」森見登美彦/角川書店

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

★★★
個人的に森見作品は、「四畳半神話体系」★★★★☆>「太陽の塔」★★★★>本作、という順番で好きです。もちろん、読んだことがある中で、という留保つきですが。
ごくごく小規模な世界の中で、小さな苦しみにもだえながらも逞しく生きる気高き毒男精神を表現している彼の人の文章が大変に好物な自分としては、主人公たる「彼女」視点があんまり楽しめなかったのでこの点数。もう一人の森見的正統派主人公たる「先輩」も実のところあまりはっちゃけてくれなかった気がする。いや、この場合は周りがちと弱いのかもしれない。樋口さんに羽貫さんは「四畳半〜」から続けて出演だったのだけれども、どうもこれに引っ張られすぎた感があり。時系列の共有に必然性を感じなかったので、単純に舞台を引っ張っただけなんだろうけれど、うーん。
解説が羽海野チカだったんでげんなりして0.5ポイントマイナスして、トータル三ツ星。この人のはしゃいだ感じがすごく苦手なのです。称揚の仕方が肌に合わないんだろう。この人が帯書いてるの見ただけで回避するしなぁ。
ていうか、氏は結婚されたのね。ものすごくびっくりした。