邦人拉致について

てーか、朝起きたら捕まってるんですよ……。以下無視して。
さて、ここで再び思い出されるのが自己責任論という名の、「切断」なわけだが……。果たしてその一言で完結させていいものだろうか? 日本人には共同体の他の成員に迷惑をかけてごめんなさい、というような意識が強く、今回はそういった論調がどの程度強まるかがポイントかもしれない。そもそも、前回の件は裏を返せば「善意」の表れなのであって、そこを否定するべきではないように思う。下らない人生目的論のために慈善活動は骨抜きにされているのかもしれないし、そういった事実/側面もあるだろう。しかし、それでも援助活動は善意から発しているのだと信じたいし、社会もそういった見方をするべきだ。そうでなければ、日本人はなんと冷たい生き物だろうか。他者を助けるという行為自体は悪として捉えられるべきではない。そのことを無責任な、と言って突き放すことは、どういうことになるのだろうか?
そして、あまりに無責任な行動の結果、重大な事態に陥ったのだとしても、国家は国民を助けなくてはいけないと思う。それは国民が正当に要求することのできる権利であり、国家が応えなくてはいけない義務だからだ。国家という枠組みの中で自然的自由を奪われることを受け容れたとき、代わりに命と財産を守れ、と人間は言ったのではなかったか。

もっとも、僕は戦争開始も自衛隊派遣も間違っていると思っている。さらに言うなら、NGO団体による慈善活動も間違っていると思っている。それは戦争の傷痕を、不正義な戦争を行った側の下でパテで埋めるような行為だから。根本的に状況を変革する活動ではないから。さらに今回の件を利用して、自衛隊撤退という思想的目的を達成しようとする向きには到底同意できない。「反戦の道具に、囚われた人を使う」という行為は、不実だからだ。それこそ、彼らが非難し続けた今回の戦争と同じくらい。