「嘘から出たまこと」マリオ・バルガス・リョサ/現代企画室
- 作者: マリオ・バルガスジョサ,Mario Vargas Llosa,寺尾隆吉
- 出版社/メーカー: 現代企画室
- 発売日: 2010/02/01
- メディア: ハードカバー
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リョサの小説評論集。と言ってもそれほど堅苦しいものではなく、リョサの小説論をベースに、名作小説を読み解いていくといった趣である。対象となっている作品を読んでいれば、リョサの小説論をより深く読み取ることができる。もっとも、リョサの論法自体も難解ではないから(言としては)、それをベースに未知の作品へアプローチすることもできる。格好の読書案内とも言える。リョサはこの小説をこう読んだ、ということがわかるだけでも、かなり新鮮。ハードカバーなんで敷居は高いですが、大変面白い。モームの「世界の十大小説」、ナボコフの「ヨーロッパ文学講義」のようなものか、後者は読んだことないけれど。
本書では以下の作品が取り上げられている。出版社名は適当、○つきは僕が読んだことがあるもの。
- ジョゼフ・コンラッド「闇の奥」/岩波書店、光文社 ○
- トーマス・マン「ヴェニスに死す」/岩波書店 ○
- ジェイムス・ジョイス「ダブリンの市民」/福武書店、新潮社 ○
- ジョン・ドス・パソス「マンハッタン乗換駅」/中央公論社
- ヴァージニア・ウルフ「ダロウェイ夫人」/角川書店 ○
- スコット・フィッツジェラルド「華麗なるギャツビー」/新潮社 ○
- ヘルマン・ヘッセ「荒野のおおかみ」/新潮社
- アンドレ・ブルトン「ナジャ」/白水社
- ウィリアム・フォークナー「サンクチュアリ」/新潮社 ○
- オルダス・ハックスリー「すばらしい新世界」/講談社
- アンドレ・マルロー「人間の条件」/新潮社
- ヘンリー・ミラー「北回帰線」/新潮社 ○
- アイザック・ディネーセン「七つのゴシック物語」/晶文社
- エリアス・カネッティ「眩暈」/法政大学出版局
- アーサー・ケストラー「真昼の暗黒」/岩波書店
- グレアム・グリーン「権力と栄光」/早川書房
- グレアム・グリーン「情事の終り」/新潮社
- アルベール・カミュ「異邦人」/新潮社 ○
- ジョージ・オーウェル「動物農場」/角川書店 ○
- アルベルト・モラヴィア「ローマの女」/角川書店
- アレホ・カルペンティエル「この世の王国」/水声社
- アーネスト・ヘミングウェイ「老人と海」/新潮社
- アーネスト・ヘミングウェイ「移動祝祭日」/新潮社
- ジョン・スタインベック「エデンの東」/早川書房
- マックス・フリッシュ「ぼくはシュティラーではない」/白水社
- ウラジーミル・ナボコフ「ロリータ」/新潮社 ○
- ジュゼッペ・トマージ・ディ・ランペドゥーサ「山猫」/岩波書店 ○
- ボリス・パステルナーク「ドクトル・バジゴ」/岩波書店 ○
- ギュンター・グラス「ブリキの太鼓」/河出書房新社
- 川端康成「眠れる美女」/新潮社
- ドリス・レッシング「黄金のノート」/エディ・フォア
- アレクサンドル・ソルジェニーツィン「イワン・デニーソヴィチの一日」/新潮社 ○
- ハインリヒ・ベル「道化師の告白」/冬樹社
- ソール・ベロー「ハーツォグ」/早川書房
- アントニオ・タブッキ「供述によるとペレイラは……」/白水社 ○