「薔薇だって書けるよ」売野機子/白泉社

薔薇だって書けるよ―売野機子作品集

薔薇だって書けるよ―売野機子作品集

気合の入った装丁に心ひかれ購入。
売野機子のデビュー作を含む短編集。白泉社の「楽園」に掲載されたものと、同人誌からの収録で全190P。
全く知らなかったのだけれども、絵柄には妙に古臭いセンスが入り交じっていて(だけどわりと好き)、それでいてセンシティヴな内容の漫画を描く人でした。河内遙よりは好きな絵柄と話の作り方(と言っても、河内作品は「ケーキを買いに」しか読んだ事ない)。話はあんまり親切なつくりではないのだけれど、「良い話」を作ろうというのはよくわかる。個人的にはオチのつけ方は雰囲気系漫画としてはかなり良いのではないかと思うのだが、そこへの過程にピンとくるものがないので厳しいかなあというよくわからない感想。これは話の作りじゃなくて見せ方に関する所だと思うが、ほんと名状しがたい違和感の部分なのでいまいちよくわからない。
収録作品の内良かったのは、同人誌からの「晴田の犯行」。表題作の「薔薇だって書けるよ」は仕方ないし、わかるのだけれど、でもやっぱり八朔がぐう畜野郎だと思えて仕方がない。