「あけぼのソックス」安永知澄/太田出版

あけぼのソックス

あけぼのソックス

後半のエッセイ風パートが大変面白い。自分と他人は隔絶されているのではないか、という話はたぶん根が暗い人なら誰でも考えることだとは思うけれど、既存の哲学に頼らないで自分で苦しんで苦しんで、そこから物語を生み出して自己修復を図るという過程が安永知澄安永知澄たる所以なのだろうかと思った。変に賢くない方がいいんだろうな。他人から見たら些細なことでも、自分にとっては大きな苦しみというのを糧にして創作してるのだなと。今の彼の中に私は居るのかな?と考えるシーンが重い……。ほんとお幸せになってください。
頭に載っている、脇から長い毛が生えてる話は「やさしいからだ」かと思った。