ETV特集「須賀敦子 霧のイタリア追想 〜自由と孤独を生きた作家〜 」

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素晴らしかった。ルチアの写真、美人だったなぁ。動いてる須賀さんを見たのは初めてだったが、すごく可愛らしい人だったので、青柳祐美子氏が言うような激烈な態度がありうるのだろうかなんて思ってしまった。
江國香織福岡伸一は何で出ちゃったの? という感じでしたが。
永作博美も朗読してたこの部分は本当に本当に重い。

コルシア・デイ・セルヴィ書店をめぐって、私たちは、ともするとそれを自分たちが求めている世界そのものであるかのように、あれこれと理想を思い描いた。そのことについては、書店をはじめたダヴィデも、彼を取りまいていた仲間たちも、ほぼおなじだったと思う。それぞれの心のなかにある書店が微妙に違っているのを、若い私たちは無視して、いちずに前進しようとした。その相違が、人間のだれもが、究極においては生きなければならない孤独と隣あわせで、人それぞれ自分自身の孤独を確立しないかぎり、人生は始まらないということを、すくなくとも私は、ながいこと理解できないでいた。

若い日に思い描いたコルシア・デイ・セルヴィ書店を徐々に失うことによって、私たちはすこしずつ、孤独が、かつて私たちを恐れさせたような荒野でないことを知ったように思う。