「Gosick」桜庭一樹/角川書店

GOSICK ―ゴシック― (角川文庫)

★★
色々書いたらブラウザ操作間違って消してしまった。がっくし。
ボーイミーツツンデレラ。オタクをやってるとどこかで一回は見るようなキャラクターの関係性である。そこにミステリ調を加えた中々に欲張りな小説。おちゃらけた調子が延々と続く会話を敢えて三人称で行った理由とは一体何なのか。ミステリ小説の体裁をとるには二人称では客観性が不足すると感じたのか、よくはわからないが「Gosick」なるタイトルにこめられた趣意と文体はちぐはぐに思えた。この軽さを意図しているのかはさておき、桜庭の文体は明らかにラノベ向けにチューニングされているので、読者の想定レンジがそもそも低めなのではないかと思う。いい年こいたおっさんが読むものではないし、表紙絵と挿絵を剥ぎ取って一般向けに偽装したのは失敗だったのでは。
文体とジャンルがこれほど分離してしまっているのも珍しいような気がする。推理の過程は大変適当で行き当たりばったり。終始読み手を脱力させながら進むのも、軽さのゆえんか。