「ジェイン・エア」(上・下) シャーロット・ブロンテ/岩波書店

ジェイン・エア 上巻 (岩波文庫 赤 232-1)

ジェイン・エア 上巻 (岩波文庫 赤 232-1)

ジェイン・エア 下巻 (岩波文庫 赤 232-2)

ジェイン・エア 下巻 (岩波文庫 赤 232-2)

★★★
途中までは妹のエミリーが書いた「嵐が丘」よりは面白かったものの、終盤はぐだぐだ。同じような話を書いていても、ジェイン・オースティンのほうが面白い。ただし主人公のジェインが不細工という設定なのは、男女の恋愛を主軸に置いたこの手の小説としてはわりと斬新だと思われる。けれども、ジェインの高潔さや能力といった、内面に目を向けることのできる素晴らしい人間にばかり出会うので、これは出来すぎな感が否めない。高潔であると言っても、無駄にプライドが高い性悪女にしか思えなかったのは困ったところ。まぁ、当時の階級意識などを考慮すれば当たり前なんだろうけれど。
原文詠んだわけじゃないけれど、これは訳が悪いように思う。ロチェスターの話し方なんて猫なで声の気持ち悪い感触が伝わってくるような台詞になっているし。まあ狙い通りなのかもしれないが。