「ゴプセック/鞠打つ猫の店」バルザック/岩波書店

ゴプセック・毬打つ猫の店 (岩波文庫)

ゴプセック・毬打つ猫の店 (岩波文庫)

★★★+★(解説)
本編のみなら★三つか三つ半くらいだったが、解説が存外に良かったので総合して★四つ。バルザックの「人間喜劇」のベースについての解説として、門外漢の僕としては非常に楽しみながら読めた。専門的にやってる人には物足りないとか色々あるのかもしれないけれど、導入としては結構良いと思う。
解説にもあるとおり、バルザックの描き出す、金をめぐる人間の様相は面白い。下世話な興味をそそるものがある、というと語弊があるかもしれないが、やはり金に対する執着や本音といったところに、人間の浅ましい部分や、高潔なところが現れ、人間性の端的な証明になりうるのだということが良くわかる。もちろん、人間というのはそれだけではないけれど。
作中にも出てきた「ゴリオ爺さん」はまさに傑作だったと思っているが、もうすでにディティールが思い出せないので、再読しようと思う。読んだのが4年前だものなぁ。バルザックは全部読もうと思うと面倒くさいのが難点。藤原の全セレクションを買おうか迷うなー、というか昔の日記を見ると、「幻滅」を買ってるということが判明。どこにあるかわからん。
最近はFFTA2のせいで本が全く読めていなかったが、これからは精を出します。