ファイナルファンタジータクティクスA2 〜封穴のグリモア

これでタクティクスって名乗るなよ、と思わず言いたくなるゲームことFFTシリーズの携帯ゲー版第2弾。相変わらずタクティクスでもなんでもない。これは初代から全く変わってないよなあ……。
エスト(=依頼)をこなして、経験値とアビリティポイントを蓄積していくことでキャラクターを成長させていくという仕様は自由度があっていいものの、結局はシナリオ上のキーイベントは固定されていて分岐もないので緊張感はゼロ。その上で、クエストの量がかなり膨大なため、こなせるクエストを全てこなしていくと、キーイベントのエンゲージ(=戦闘)における敵レベルを遥かに凌駕してしまうために戦闘には緊張感がない。マジックバースト+幻術+二刀流という最悪の組み合わせができるようになるには、後半まで待たなければならないのはまだ自重しているとはいえるが、そもそも幻術自体がかなりのバランスブレイカーなのでどうしようもない。タクティクスオウガの戦闘が素晴らしいのは、エレメント+地形効果による攻防値の補正と、攻撃方向における命中率の変化、高低差の概念導入だと思うのだが、FFTA2においては攻撃方向におけるダメージの補正のみが賞賛に値するところで、あとは地形効果がないのは致命的であるところ。高低差による飛び道具補正もなし。まあその辺の細かいところをロウ(=その戦闘で守るべきルール)による「縛り」の強制導入で回避しようというのもあったんだろうけれど、ロウ遵守が勝利条件に入っているエンゲージは多くなく、かと言って違反時のペナルティはないに等しいため、クソ真面目に自分を律し続ける理由はない。このゲームの攻略に必要なのは、戦略でもなんでもなく、キャラクターを効率よく育てるということに尽きる。ちなみに、攻撃時の命中率表示はほとんど当てにならないのは勘弁してほしいところ。99%でも頻繁に回避されるのに、40%でも連続で当たったりすることには首をかしげる三国志VIかなにかの軍師助言より性質が悪い。あと、このゲームの回復軽視はひどい。おかげで白魔道士はずっと空気。状態異常を食らうケースもかなり多いが、基本的に放置でいいし……。
シナリオ自体もFFTAのほうが面白かった気がする。あくまで気がするだけだが。それでもFFTよりはマシですが。FF12のヴァンとパンネロ、アルシドが登場するが、これも加入は後半になる上キャラ枠を強制的に一つ埋めるのでおいしくないところ。しかもパンネロヴィエラ扱い。
ラブリーボイスだけが僕の癒しでした。まあ酷評したわりには84時間もやったんだけれども。エンゲージが面倒くさいのが致命的。テンポの悪さで後半40時間は惰性でした(というか、40時間も惰性でやるなよって感じですが)。
というわけで、スクエニさんはタクティクスオウガWiiのVCだけじゃなくてDSでも出しましょう!と僕は声を大にしていきたい。