「血の収穫」ダシール・ハメット/東京創元社

血の収穫 (創元推理文庫 130-1)

血の収穫 (創元推理文庫 130-1)

ガッシ!ボガッ!ギャッ!グワッ!
物語には暴力が溢れている。コンティネンタル・オプはタフで小太りで好色なハードボイルドな男。これ以上ないくらいのハードボイルドものと言えよう。でもなんだかしっくりこないのは、暴力の中で人間が乾いているからか。チャンドラーやロスマクになると、そこに情感が交わっていい具合になるのですが。それでもやはり行動によって物語を切り拓いていくコンティネンタル・オプは格好いい。