「あのひととここだけのおしゃべり」よしながふみ/太田出版

よしながふみ対談集 あのひととここだけのおしゃべり

よしながふみ対談集 あのひととここだけのおしゃべり

漫画ではないけど、フツーの本というのもヘンなので……、タグ二個。
前半がBLの話、後半が漫画の話。よしながふみ自身が「フェミニズムは関係ある」と認めてるように、女性視点から見た少女漫画、BLの話が全編通してあるので、ダメな人はダメかも。「男は〜だけど、女は〜だから」式の話が多かったなぁ……。別に否定する気はないけれど、「自分たちの見解」をあまりにも肯定的に捉えすぎてて若干気持ち悪いと感じるときもあった(でもそういう趣旨だし、まあ当然か)。というか、男性なんて端から相手にしてないんだよね、収録対談全部。ホンネが覗けて面白いと思いますが、男性には勧められない。ま、★2つから3つくらいかと。
それと、萩尾望都との対談で出た、NANAの話については「あ、そうなのか」と思った。曰く、「ハチは浮気性で次から次へと恋愛をしているわけではなくて、心の中にある空白を埋めたいと思っていて、一つ一つの恋愛を真剣にやっているのだ」そうで。ハチの誰かに頼ることに流れる弱さと学習の能力のなさに嫌気がさして読まなくなった当人としては、そういう風に読んでるのかというのってわからなかったので、心の弱さってのは受け容れられてるのか、と感じたとき、それじゃ自分には読めないなと思った。
志村貴子との対談は、結構良かったです。好きな人なら読む価値あり。