「沈黙/アビシニアン」古川日出男/角川書店

沈黙/アビシニアン (角川文庫)

沈黙/アビシニアン (角川文庫)

「沈黙」はスティーヴ・エリクソン村上春樹風に調理してクソ文体で和えました、みたいな感じ。路線としてはアリなのだとは思うけれども、文章が……。「アラビア」しか読んだことないけど、この人はこんな文体だったか? だったような気もする。でもまあ、アラビアでは鼻につかなかったんだから、結局のところは本作との相性が僕にとっては悪かったってことね。ヤケルの設定が失敗だと思う。
「沈黙」も「アビシニアン」も煙に巻いてドロンってだけで、結局のところ真に迫ってないと感じた(言いたいことはわかるが、どうなの?という……)。この作家を買いかぶりすぎた予感。