嫌だ嫌だ―――凄く嫌だ

ただ無条件に僕を肯定してくれればいいのに、みんなあれこれと理由をつけて僕を奮い立たせようとする。そんな励ましなんかいらないんだ。逃げてもいいって、言ってほしいだけなのに。あなたは自由だって、言ってほしいだけなのに。勇気を出せ? そんなものが出たら、僕はこんなところにいないだろ……。そうやって見当はずれなことばかり言って、僕を傷つけるんだ。僕を救いたいなら、ただ優しく抱きしめてくれ。はっきり言うけれど、僕はすでに負けている。だからいまさら立ち向かうとかそんな力は湧き上がってこない。なのに、なんで、君らは僕をそんなに立ち上がらせて恐怖の源泉を見据えさせようとするんだ? 逃げてはいけないのか? 弱くてはいけないのか? 僕自身は何にも悪くないはずなのに、なぜ僕だけがこんな目に遭うんだ? 誰も彼も世の中も、まったく僕を理解してくれない。嫌だ嫌だ―――凄く嫌だ、こんな世界が嫌だ。

という話。