「時をかける少女」角川ヘラルド

流行ってことで見てきました。わざわざ車で新座くんだりまで行って鑑賞したわけですが、設備がよかったので行った甲斐はあったかな。あんまり混んでなかったし。
で、僕は原作読んだことのない人でありまして、原田知世の映画も見たことのない人なんでありますが、かなり楽しめたというのが偽らざる感想です。が、ストーリーの骨格は別として、細かい部分でジブリテイストを感じたのですが、錯覚だったのかどうか……。
「いま」という楽園の永続を願う少女が、避けられない変化をどのように受け入れていくか、ということを「タイムリープ」を使ってある意味教訓的に提示したお話だったかと。確かに言われてることは、いわゆる「時間」モノにはありきたりで、特に目新しいものではない。んだけれども、そんなことは全く問題にならない。というか、そんなのは気にしてちゃいけないし、気にもさせない。確かに材料は一級品から比べると、幾分落ちるものを使っているのだけれども、それを実に上手く調理して、カタチにしたのだと。いわゆる大型作品とは全く逆のパターンで、限られた範囲でできるだけのことをして、すばらしいものを作ってくれた。それを味わうことができたのは、とても幸せなことだと思います。
「すでに幾十幾百も言われ、陳腐化してしまったようなこと」を「また使う」ということ自体には特に問題はない。だって、新しいことを言えるような優れた感覚を持った表現者なんて、そうそういるわけじゃない、ってことを本当は誰しもわかっているから。それでも時たま、「こいつはいまさら何言ってんだろ」と言いたくなってしまうのは、見せ方が悪いからに他ならず、他に言いようがないからなわけで。という、軽い自己弁護。