BOYs DOn'T CRy

ボーイズ・ドント・クライ [DVD]

ボーイズ・ドント・クライ [DVD]

ヒラリー・スワンクが演じているブランドンが遭う状況があまりにも悲惨でしかも一方的過ぎて見ていてつらかった……。
性同一性障害」という「病」を理解されず、自分が受けた行為を供述によって反復することによって、悲惨さを増幅される。理解しがたい概念の中から、ブランドンという人間そのものを見つけ出して受け入れたラナは「救い」なのだ。
こういう場合往々にして、純粋さを持つ人間には理不尽な暴力を振りかざす小悪党兼小市民が不幸を与えることが多い。こういった昔ながらの構造を丁寧に踏襲しながら、その末路すらも救わない突き放し方は見事だとは思う。だがしかし、ラストにラナが車を走らせるシーンがよかったし、エピローグも少々救われるものがあるような気がした。