おっきっき

昨日はなぜだかエアロビをすることになった。スポーツクラブの中はむせ返るような汗の臭いが充満していて、それだけで僕はここにいることを拒絶されているような気がした。健康資本主義の臭いなんて、不健康極まりない僕にはまったく合わないし、ここ最近は服ににじむほどの汗をかいたこともないし、大体の話、スポーツクラブの利用者の大半が持っている健康と肉体への願望などない。でも、頑張った。知ってはいたが、実際にやってみるとエアロビクスはとてもきつい。一時間も動きっぱなしでいる上に、機敏な動作を要求されるので、僕みたいな運動音痴でドンくさいやつにはどだい無理だった、のだ。職場の50歳代の女性も一緒にいたのだが(僕の母親より年上だ)、彼女らはきっちり動けていた。情けなさを感じながら、一番前にいるインストラクターの動きをなぞろうと必死で動いていると、不意にぎゅうと肺を締め付けられるような感覚に襲われ、僕はスピードを緩めて少し休み、さらにスローダウンして体操を続けた。それでもなんとか一時間を乗り切ると、今回のエアロビは初級者向けではあるが、かなり慣れてきた人向けなのだ、と教えられた。額の汗をぬぐい、汗にまみれた髪を手櫛で後ろに追いやると、ぜえぜえとしている呼吸を整えようとしながら、ただ頷くことしかできなかった。そのときの疲労感に心地よさを感じなかった、と言うと、嘘になるのだけれども、暫くはやらないだろうと思う。