アウステルリッツ

アウステルリッツ

アウステルリッツ

ヨーロッパ現代史をたどりなおす試みとしての、忘却について書かれた小説(のようなもの)。最後に出てくる「へシェルの王国」についての箇所のように、間一髪で難を逃れ、彼が手に入れるはずだった記憶と背景と過去から切り離されて育つことになったアウステルリッツは、とにかく記憶をたどり続けるが、その記憶は風化を避けえない。それはラストの国立図書館のシーンから明らかであるように思える。とりとめもない感想ですがこんな感じでした。