鈴木亜美

Mステもうたばんも見れなかったので、復帰してからちゃんとテレビに出ているのを見たのは「堂本兄弟」がはじめてだったのだが、やっぱり何か違うな、というのが昔オタやってた者としての感想。そもそも、今の鈴木亜美は「アイドル」だと思えないし、そう売り出そうとしていないだろうけれど。また、歌手としてはそんなに歌が上手いわけでもないので、どーにも乗り切れない。客観的に見ようと努めればかわいいはかわいいのだが、上手く説明できないが少し歪なんだよなあ……。
彼女がばりばりに活躍していたころ、僕は高校生で写真集もCDも買ってラジオもちゃんと聴いて葉書を出すくらいはまっていたのに、影が薄くなるにつれていつのまにかどうでもよくなって投げ出してしまった。まあ、飽きっぽいだけなのかもしれない。それはともかく、今になってそのころの鈴木あみを見るとかわいいと思うのだが、さっき見た鈴木亜美はそれに比べるとかわいいとは思えなかった。その主観の変化をもたらしたのは、彼女が「アイドル」ではないからで、彼女が持っていた「アイドル」なる鏡像が一連の出来事とブランク期間中のゴシップによって傷つけられたことが影響してるんだと思う。
異論はあるだろうけれど、そもそもアイドルというのは完全無欠の存在であることを義務付けられていて、しかもそれが現実に存在する必要はない。つまり、イメージとして共有される概念であればよくて、信者に対して時折応えてくれればいいだけだ。アイドルは想像上の産物であり、そのように認識されている人間の本性や事柄などはまったく無視される。だからこそウンコするしないという議論は意外と正当なものなのだ。しかし、本人に対して現実世界に漂っている嫌な「におい」をこびりつかせてはいけない。本人にまつわるゴシップは、偶像に対して影響を及ぼし、アイドルというイメージを傷つける結果となる。誰もが手軽に「本人」を監視・目撃した証拠提出が可能になった現代において、アイドルは不可能に近いと言うことができるかもしれない。197〜80年代のアイドルくらいなのが本当のアイドルだと思う。うわ、なんかキモイですね。