さよぅなら、コロンバス……さよぅなら

さようなら コロンバス (集英社文庫)

さようなら コロンバス (集英社文庫)

結構面白かった。好き。

 「今や、人生がわれらをよぶ、われらは、蔦につつまれた楽しき学び舎を去って、不安ならぬ期待に心おののかせつつ実社会にのりだしてゆくのであります。しかし、この学び舎の思い出を捨て去るのではない。この思い出こそ、われらの生涯の基礎とはいわずとも、常に身辺を離れぬもの。やがては、それぞれ夫を、妻をえらび、職業を、家庭の場所をえらぶでありましょう。子供たちを、孫たちを生み育てるでありましょうが、われらがオハイオ州立大を忘れることはない。来るべき未来に、オハイオ州立大よ、汝が思い出をたえず胸にひめて、進んでゆくでありましょう」

 「実社会よ、われらは、きみに向かって身をささげ、人生を求めて進む。そして、オハイオ州立大よ、コロンバスよ、われらは、重ねて、ありがとうと言いたい、ありがとう、そしてさよぅなら、と。秋、冬、また春、新しい季節のめぐりくるたびに、きみを思い浮かべ、いつの日か戻ってくるでありましょう。そのときまで、さよぅなら、オハイオ州立大、さよぅなら、校旗よ、さよぅなら、コロンバス……さよぅなら、コロンバス……さよぅなら……」
P132-133より

まあ実際は大学がメインの話じゃないんだが、この時期にこういう文章読むとぐっときませんか、来ないですか、そうですか。