「煙か土か食い物 (講談社文庫)」読んだ

すごいな、これは色々と。チャンドラー、カーヴァー、春樹……。こんなに荒唐無稽なのを一気に読ませるんだから、こりゃすごいとしか。どうでもいいんだけれども、ラストでアテナに電話しちゃうところとか「羊をめぐる冒険」だし、ルパンの嫁んとこで二時間泣くシーンって「ノルウェイ」だよなあ……。茶化してんだかオマージュなんだかよくわからないけれども、まああとで思い出してみるとという感じだったので、読んでいる最中は白けなかったからいいや。好きか嫌いか、って言ったら好きなほうだし、ミステリー枠だからこれでいいんじゃないかと(ミステリー部分もどうかと思うけれどねえ)。文学っぽい感じの方向で書いてる部分は踏み込みが足りないような気がするけれども……。ミステリー+J文学(んな言葉あったよな)なのかな。
一郎が「高い窓から飛び降りる」とかどうのこうのと言っているのを聞いてニヤついてしまったけれども、過剰反応か。というか、そういう楽しみ方をする作家なのか。一郎だったかどうかすらもう覚えてないわけですが。