ユルスナール・セレクション4「流れる水のように/火/東方綺譚/青の物語」ユルスナール, Marguerite Yourcenar, 岩崎 力, 吉田 加南子, 多田 智満子

やっと読了。疲れた。
「東方綺譚」と「青の物語」は良かった。「東方綺譚」の「源氏の君の最後の恋」は特によい。もっとも、古典をベースにしたアンソロジー的な作品をほとんど読んだことがないので新鮮に思えたのかも知れないけれども。そして何より「青の物語」の「最後の夜が」フィッツジェラルド的な情感に満ち満ちていて素晴らしかった。
「流れる水のように」と「火」はいまいち。後者は読むのにとても疲れた。ユルスナールにしては直情的なモノローグが間に挟み込まれていて、珍しくはあった。
このシリーズは三冊目だけど、装丁に使われている絵がなんとなく好き。須賀敦子の本に使われていた舟越桂ほどじゃないですけど。