「UN-GO episode:0 因果論」

初回を見た時には「なんだこのクソアニメ」と思った僕の不明を恥じるレベルに最近は面白い「UN-GO」だが(というか、ほぼ今期一。ギルティクラウンなんて打ち切ってこっちを2クールやったほうが世のためだ)、12/2までの二週間限定で(おそらく放映枠の都合で収まりきらなかった)主人公である結城新十郎とその相棒である因果の出会いを描いた、episode:0がTOHOシネマズで公開されていたので、見たいなあと思っていたのだが、思っているうちに最終日になってしまったので急いでみてきた。
面白い。面白いんだけど、1200円払っているという心理的ハードルがあるのでどうにも評価は2割引くらいになってしまうのが残念。OPやEDのカットに登場する本編には出てきていないキャラクターが何者なのか明らかになる上に、イマイチよくわからない結城新十郎の正体がよくわかるという素敵な内容であるにもかかわらず、映画館でしかやらないというのは一体どういう了見なのか理解に苦しむところで、本放映の序盤数話を圧縮して二話分のスペースを作れば、因果論だって放映できたはずなのにそれをやらないのはどういうことか。というか、因果論見てないと8話は楽しみが半減する作りになっているのはひどいと思う。
探偵小説形式でありながら、根本的なトリックはほとんど超常的な能力によるものであるところ、というフレームには賛否あろうが、個人的には展開のさせ方と時折混ざるメタ的な視点が面白いのでアリ。
ラストで、School Food Punishmentの「How to go」が流れるOPへ繋がるシーンはもう最高。要するにepisode:0なのだということを強調する構成ではあるが、前述のとおりのOPカットの意味合いを理解できるために、TV以上に楽しめる。
個人的には海馬社長ヘアーになる前の結城新十郎のほうが格好いいです。

「スクライドオルタレイション TAO」

池袋シネマサンシャインで鑑賞。
はっきり言って、ファンの方しか向いていない作品であることは間違いない。TV版のエッセンスをさらに凝縮したような編集の仕方であり、新規カットは殆ど無い(カズマとクーガーの出会い、無常+αが前半から出る、くらい。1800円の価値があるかどうかというと疑問だが、ファンは確実に楽しめるのだから、アリといえばアリだろう。ただし全世界に両手で数えるほどいるかどうかの運慶ファンは除く。運慶さんはメイン回がまるまる削除されて、ただの愉快なアフロでしかなくなってしまった! 立浪はきちんと出ている上に決め台詞も残されているので、まあそこだけでお腹いっぱいではあるのだが。
昔の名前で出ています、なので、ファンの人は見に行くといいと思う。「スクライド?」って人は見ないほうがいい。

そういえば秩父に行ったのだった






僕はあんまり好きじゃない「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」の舞台になってる秩父に行ったので、橋を見てそのまま雁坂トンネルを抜けてきた。橋にはオタクボーイたちはあんまりいなかったのだが、駅の周りにはそれらしいのが結構いた、のを思い出した。ダムは良かったです。そっちをもっとじっくり見るべきだったかな。
てか、千葉からだとすげー遠い。道がだらだら混むので早朝に行くべし、ですね。

東北ドライブ3日目

朝起きて飯を食って即出発! というわけで、午前八時頃にはもう国道へ出て、仙台方面へと走り出していた。天気はあんまりよろしくなく、あんまり気乗りのしない一日だった。それでも鳴子温泉郷からR47を経由して古川へ出ると、R4にスイッチしてそのまま仙台まで南下。仙台は通過しただけだったので、震災の被害が大きいところは見ていないのだが、R4に限った話をすれば、道がかなり歪んでいた。走っているとそのうねりを身体でもって如実に感じ、ため息が出てしまったのを今でも覚えている。こんなんじゃなかったよなあ、と思ったのだ。
高速に乗る気にもなれず、福島県までそのまま南下する。どんよりとした空は福島市のあたりになると"そこそこ"晴れて見えたのだが、磐梯山の方は分厚い雲がかかっていた。それでも、絶賛無料開放中の磐梯吾妻スカイラインを走らねばなるまいて、ということで鼻先を向ける。

料金所にたどり着いても予想通りの空で、今回は道を楽しむだけにしようということになった。
しかし、とろくさい車がヘッドライトもフォグもつけずにだらだらと山を上がっていくものだからフラストレーションは溜まる一方。とは言え、こんなに霧が深いとさすがに慎重にもなるよなあというのはよく理解できる。

浄土平もこんな天気で、しかも人だけはむちゃくちゃいたので、うんざりして速攻で山を降りる。二本松へ抜けるつもりが結局福島市に来てしまったので、福島松川ICから高速に乗る。
郡山ICで磐越道にスイッチしてあぶくま高原を横断する。いわきまでの道のりはいつもと何ら変わらないようなのどかさをたたえていたが、実際はそうではないのだろう。ふと思いついて、いわきJCTで左折する。つまり、原発のほうを目指した。
常磐道は広野ICで通行止めになっている。つまり、実質的にはいわき中央IC以北を走っている車というのは、地元の方々か、そういう用事の車がほとんどということになる。実際、北へ上がっていく間、同じ方向へ向かう車は2台しかいなかった。随分とのんびり走ったのに、追いついてきたのは一台だし、追いつけたのも一台きりだ。対してすれ違った車というのは、何らかの作業のための車両や、いわきナンバーの車であったりして(きっと買い出しなんだろう)、自分のような車は異質でしかなく、肩身が狭いと言うか視線が痛いと言うか、とにかく恥ずかしくて仕方がなかったし、物見根性で来るものではないなと後悔した。

そして通行止めのところまでやってきた。

広野ICを降りるとすぐにJヴィレッジがあるのだが、怖くて行かなかった。というかもう、そこまで厚かましくなれず、そのままR6を下って帰った。
広野付近のR6沿いには人がいなかった。セブンイレブンもガソリンスタンドもKEEPOUTにしてあり、あとは朽ちるがまま、という状況だった。国道沿いののどかな風景の中におぞましい出来事の傷跡が明らかに残っていて怖気の立つような思いがした。明るく開け放たれた部屋は見る者に良い印象を与えるものなのかも知れない。だが、それがなぜ明るいのか、開け放たれているのか、を理解している場合、印象は当然ながら理由によって大きく左右される。原発の救いきれないほどの爪あとの一つだということを知っている僕は、こののどかさには狂気のようなものを感じて仕方がなかった。気持ち悪くて仕方がなかった。恐ろしくて仕方がなかった。だからしばらく走ったあとで、歩道をてくてくあるいているおじさんを見かけた時、ほっとするよりも先に何故どうしてと思い、次に怖いと思ってしまったのだった。一つ手前のいわき四倉ICまで走ると、ICの付近には農作業をしている人々がいて、その時僕はようやく内心ほっとしたのだった。
その後は常磐道を使って南下して帰宅。非常に疲れた。そして頭が痛くなった。
走行距離579.5km 15.3km/l